健診センターで仕事をする保健師に求められるスキルは、コミュニケーション能力と分析力です。
健診センターにはさまざまな健診者が訪れますが、限られた時間の中で健診者一人ひとりに対応しなくてはなりません。
健診者の中には、健康体で生活に何も不安がない人もいれば、不規則な生活リズムでいつ病気になってもおかしくないと不安を抱えている人もいます。
全員に同じような保健指導をするのではなく、個別性に合わせて保健指導することが求められるでしょう。
その個別性を重視するために必要なのが、コミュニケーション能力です。
健診者とのコミュニケーションを通してどこに不安を感じているのか、どんなことを知りたいのかなどを会話から読み取る必要があります。
また、健診者との会話の中で出てきたさまざまな生活習慣に関する情報を、知識と技術をもとに素早く分析することも重要です。
健診者の生活はもとより、仕事や家族などのバックグラウンドを聞き取ります。
そのうえで、健康を維持するためにどんなことが重要なのかを分析しなければならないのです。
健診者の中には、現在は健康上問題がないことから、自分自身の生活をあまり振り返らない人もいます。
それだけでなく、健康診断で問題なかったために現在の生活を続けて良いんだと安心する人も少なくありません。
そうした健診者への健康や保健についても、啓蒙活動を行う必要があるのです。
以上のことから、個別性のある分析力とコミュニケーション能力は必須と言えます。